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国際化工株式会社 マルケイmellina
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品質技術情報

   

ポリプロピレン製品から「環境ホルモン」ノニルフェノール溶出記事について

平成11年10月15日
(改)平成11年11月 5日
マルケイPP食器からノニルフェノールが溶出することはありません。


マルケイPP食器には、材料や添加剤にノニルフェノールそのものは勿論、アルキルフェノール類(4参照)が溶出する可能性のある物質は一切使用していません。従って、製品からこれらの物質が、溶出するようなことはありませんが、念のため実施した確認試験でも溶出は認められません。
毎日新聞平成11年10月11日付け記事で表題が取り上げられ、一部のお客様から問い合わせがあります。弊社で使用している食品衛生法対応材料グレードは、安全衛生上問題となるような物質を、原料や添加剤に使用していません。従って、安全衛生に関わる物質が製品から溶出することは考えられませんが、より安全性を確保するため、問題となる物質については公的検査機関に於いて、かねてより定期的な溶出試験を実施しています。
本問題に関し、詳しくご理解願えるよう下記資料を取りまとめました。

1. ノニルフェノールについて
合成洗剤の界面活性剤の原料などに広く使用される物質で、日本の河川からも微量の検出が報告されています。プラスチック関連では、酸化防止剤としてトリスノニルフェニルフォスファイト(TNP)が使用される例があり、TNPは分解してノニルフェノールを生成することが知られています。また、TNPを多量添加したプラスチックからノニルフェノールが溶出することがあり得ることも確認されています。
一方、英国エア川に於ける鯉科の魚ローチのメス化の例で、その地方で羊毛洗浄に大量に使われていた洗剤の分解生成物であるノニルフェノールが、下水処理場の下流域で最高180ppbも検出されたため、当初これが原因物質と疑われました。しかし、その後の英国保健省の調べでは否定され、人の女性の尿に含まれる女性ホルモンそのものが主たる原因であると強く示唆されていることが、広く知られています。
この様な自然界の生態系への影響は確認されておらず、作用等については議論のあるところですが、10ppb程度以上で魚に作用を生じさせると言う見解なども過去にあったことから、環境省の外因性内分泌かく乱を疑われる物質にリストされています。

2. 毎日新聞掲載記事の出所について
「プラスチック容器からノニルフェノール溶出」記事の出所元は、下記報告書の一部 によるものと推察されます。

第8回内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
平成11年9月24日(金)
「厚生科学研究費補助金(平成10年度研究事業)分担研究報告要旨」
ポリカーボネート食器、食品缶詰等からのビスフェノールA等フェノール化合物
の溶出に関する調査研究

分担研究者 渡辺 悠二 東京都立衛生研究所 生活科学部食品添加物研究科
協力研究者 高田 秀重 東京農工大学 農学部環境資源科学科
堀江 正一 埼玉県衛生研究所 食品研究科
西村 正美 (財)日本食品分析センター 多摩研究所衛生化学二部
松原 チヨ 東京薬科大学 生命科学部環境生命科学科

2.ノニルフェノール
プラスチック製品50種類をn-ヘプタンで25℃・1時間保持して溶出試験を行った。その結果、ノニルフェノールを検出したもの(操作ブランク値の2倍量を有意の検出とし、それ以下をNDとした場合)は16検体で、うちポリスチレンおよびポリプロピレンの5検体で、21〜2490ng/cm2 の範囲の溶出が認められ、最も高濃度の溶出を示したものはポリスチレン製コップであった。ポリエチレン製等その他のプラスチックからは有意に検出されないか、検出量が少なかった。

3. ノニルフェノールの溶出試験結果と検出限界値について
前出のとおり、弊社製品の原料や酸化防止剤を含む添加剤には、分解してもノニルフェノールが溶出する可能性のある物質は使用していませんので、確認試験結果でも、製品から溶出することはありませんでした。
今回の厚生労働省議事次第によれば、試験で検出されたとする最小量は21ng/cm2(≒11ppb)で、ブランク(≒5ppb)の2倍以上の測定値(≒11ppb)であれば検出された量とし、以下を不検出としています。そして、40mlの溶媒中に溶出したノニルフェノールの量を濃度ではなく、ナノグラム単位の総量で表していますので、あたかも大量のノニルフェノールが溶出するかのような誤解を与えます。
一方、弊社が依頼している公的検査機関(財)日本食品分析センターの検出限界は、0.01μg(10ng)/mlで、10ppbに相当しますので、ほぼ検出限界は同等です。
又、食品衛生法上の定めによれば、溶出条件(液)は他にもありますが、n-ヘプタンが最も溶出し易いために使われたものと考えられ、弊社でも同様条件としています。

4. ノニルフェノールとアルキルフェノールの関係
環境省の「内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質」リストの36番目に、アルキルフェノール(C5からC9)、ノニルフェノール、4-オクチルフェノールと3つの名称が記されています。最近、「環境ホルモン」と一部で問題になっているのは、この内のノニルフェノールですが、これはアルキルフェノールの一部と解釈されます。
いずれもフェノール部分とアルキル基部分からなる物質で、非常に多くの種類があり、このアルキル基部分の炭素の数nが(Cn)と表現されています。これらは全てよく似た物質ですが、このアルキル基部分の炭素の数により分類されているわけです。
今問題になっている、あるいは調査研究の対象となっているのは下表通りの物質ですが、これらも全てアルキルフェノールとなります。
アルキルフェノールの炭素数による分類
アルキル基
部分炭素数
環境省リスト記載名称 「厚生労働省」食器等の
溶出調査研究対象
「環境省」水環境
(河川・下水)調査対象物質
4 [記載無し] [対象外] 4-t-ブチルフェノール
5 アルキルフェノール(C5) [対象外] [対象外]
6 アルキルフェノール(C6) [対象外] [対象外]
7 アルキルフェノール(C7) [対象外] 4-n-ヘプチルフェノール
8 アルキルフェノール(C8)
4-オクチルフェノール
[対象外] 4-t-オクチルフェノール
9 アルキルフェノール(C9)
ノニルフェノール
ノニルフェノール ノニルフェノール

以 上

●マルケイスクールウェア(PP)溶出試験結果報告書

分析試験成績表
   
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