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品質技術情報

   

国立がんセンター  予防研究部 部長 津金 昌一郎見解

1999年度から研究・調査を行い検討した、現時点での結論は、合成ホルモン剤の薬理効果やダイオキシンの高濃度暴露のような例外を除くと、人間集団において内分泌かく乱物質による健康影響が確実であるとされた事例はなかった。


環境ホルモン
健康への影響 不確か

日本経済新聞 2005年(平成17年)10月2日(日曜日)

 意外かもしれないが、環境ホルモンと呼ばれる内分泌かく乱物質が、人の健康に悪影響を及ぼしているという確かな証拠はどこにもない。
 内分泌(ホルモン)は、甲状腺、副腎皮質、卵巣、精巣などの細胞で合成され、生体の恒常性、生殖、発生、行動などに関与する。内分泌かく乱物質はホルモンの合成や分泌、受容体への結合などを阻害したり強めたりする性質を持つ体外からとりこまれた物質をさす。
 ゴミなどを燃やすと出てくるダイオキシン類、有機塩素系の殺虫剤、プラスチック原料や可塑剤などの一部、カネミ油症で知られるポリ塩化ビフェニール(PCB)などに内分泌かく乱作用のあることが、試験管や動物実験で示されている。天然物だと、大豆に含まれるイソフラボン、ごま油に含まれるリグナンなどが挙げられる。
 内分泌かく乱作用が疑われる物質は、われわれの周りを取り巻いており、体の中にも存在する。ダイオキシン、PCB、有機塩素系残留農薬の主な摂取源は魚介類だ。われわれの研究でも、魚介の摂取頻度が多いほど、これらの物質の血中濃度が高かった。ただ、この程度のレベルでは、健康への影響は確認できていない。むしろ、魚介類をよく食べる人たちの方が、心臓病予防や脳神経機能の発達などの面から健康的であるといえるくらいだ。
 では、どのくらいの量で、どの病気のリスクが、どの程度高くなるのだろうか。
1999年度から、内分泌かく乱物質の人への健康影響について、日本人を対象とした疫学研究を実施するとともに、世界で報告された疫学研究を総括し評価する作業を継続的に行ってきた。
 発がん、甲状腺機能、器官形成(尿道下裂、停留精巣)、小児神経発達、生殖機能(精子数、子宮内膜症)、免疫機能などへの影響について検討した。現時点での結論は、合成ホルモン剤の薬理効果やダイオキシンの高濃度暴露のような例外を除くと、人間集団において内分泌かく乱物質による健康影響が確実であるとされた事例はなかった。
(国立がんセンター 予防研究部 部長 津金 昌一郎)

   
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